破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「そうか。ならばアイザッ……ザック様もご活躍されたんだ。僕もぜひ祝って差し上げたい」
「そうですね! では、宿泊先のオーナーに頼んで良い場所を用意させますね」
せめてアルバートが拒否してくれたらよかったが、アルバートにとってザックは敬うべき相手。
もてなすべきという気持ちもあるだろうし、騎士として株を上げる為には名案だ。
しかし、アーシェリアスにとっては地獄の時間になる。
なんとしても阻止せねばと首を大きく横に振った。
「き、気を使わないでミア! 私たちは」
「少しだけ待っていてね」
善意しかありませんという天使の微笑みを浮かべ、ミアはワンピースの裾を翻して行ってしまう。
「ふふん、ミアは気が利くな」
僕の為に提案してくれたと言わんばかりのドヤ顔で、アルバートは満足そうに目を細めた。
(どうしよう……せっかくの厚意を無下にするのは申し訳ないけれど、ここはザックに相談して断ってもらう方がいいかもしれない)
自分だけでどうにかするのは難しいだろうと判断し、ザックを探そうと辺りを見回す。
その素振りに、アルバートは「アーシェ」と真面目な顔で呼んだ。
「なんですか?」
見上げるアーシェリアスの瞳を、アルバートは真っ直ぐに見つめる。
「ずっと疑問に思っていたんだが、僕を避けるのはなぜだ」
ドクン、と心臓が強く脈打った。
バレていたのだ。
「そうですね! では、宿泊先のオーナーに頼んで良い場所を用意させますね」
せめてアルバートが拒否してくれたらよかったが、アルバートにとってザックは敬うべき相手。
もてなすべきという気持ちもあるだろうし、騎士として株を上げる為には名案だ。
しかし、アーシェリアスにとっては地獄の時間になる。
なんとしても阻止せねばと首を大きく横に振った。
「き、気を使わないでミア! 私たちは」
「少しだけ待っていてね」
善意しかありませんという天使の微笑みを浮かべ、ミアはワンピースの裾を翻して行ってしまう。
「ふふん、ミアは気が利くな」
僕の為に提案してくれたと言わんばかりのドヤ顔で、アルバートは満足そうに目を細めた。
(どうしよう……せっかくの厚意を無下にするのは申し訳ないけれど、ここはザックに相談して断ってもらう方がいいかもしれない)
自分だけでどうにかするのは難しいだろうと判断し、ザックを探そうと辺りを見回す。
その素振りに、アルバートは「アーシェ」と真面目な顔で呼んだ。
「なんですか?」
見上げるアーシェリアスの瞳を、アルバートは真っ直ぐに見つめる。
「ずっと疑問に思っていたんだが、僕を避けるのはなぜだ」
ドクン、と心臓が強く脈打った。
バレていたのだ。