破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「おおっ! ちゃんとした飯じゃねぇか!」
テーブルにつき、感嘆の声を上げた灰鷹の頭領がアーシェリアスとティコを交互に見る。
「ふたりで作ったんだよな?」
「そうっス! って言っても、俺は指示通りに肉と野菜を切っただけっスけど」
眉を下げてヘラッと笑ったティコの隣で、心の中は緊張でいっぱいのアーシェリアスが微笑む。
「お口に合うかわかりませんけど、食べてみてください」
勧めると、頭領がスプーンを手にした。
「ティコ、毒見はしたんだろうな?」
「もちろんっス。つーか、アーシェはそんな汚いことする子じゃないっスよ。多分」
「なんだティコ。お前すっかり絆されたな」
鼻で笑った頭がスプーンでトマトスープを掬う。
「ほ、絆されてないっスよ!」
顔を赤らめるティコをまた笑って、頭領はスープをひと口食べた。
「おお、あっさりとしてて美味いな」
もぐもぐと口を動かして飲み込むと、すぐにまたスープにスプーンを入れる。
「野菜の旨味と、この、鼻からぬけてくトマトの香りがまたいいな」
まろやかな酸味を堪能し、続いて細かく刻んだ鹿肉を噛んだ。
「鹿肉をスープで食ったのは初めてだな」
「そうなんですか?」
「お? 知りたいか? それなら」
「うちの料理係は、肉は焼く、野菜や豆はスープにする。だから、毎日同じメニューなんスよ」
頭領の勿体ぶりをぶった切ったティコの話を聞いて、アーシェリアスは納得した。
テーブルにつき、感嘆の声を上げた灰鷹の頭領がアーシェリアスとティコを交互に見る。
「ふたりで作ったんだよな?」
「そうっス! って言っても、俺は指示通りに肉と野菜を切っただけっスけど」
眉を下げてヘラッと笑ったティコの隣で、心の中は緊張でいっぱいのアーシェリアスが微笑む。
「お口に合うかわかりませんけど、食べてみてください」
勧めると、頭領がスプーンを手にした。
「ティコ、毒見はしたんだろうな?」
「もちろんっス。つーか、アーシェはそんな汚いことする子じゃないっスよ。多分」
「なんだティコ。お前すっかり絆されたな」
鼻で笑った頭がスプーンでトマトスープを掬う。
「ほ、絆されてないっスよ!」
顔を赤らめるティコをまた笑って、頭領はスープをひと口食べた。
「おお、あっさりとしてて美味いな」
もぐもぐと口を動かして飲み込むと、すぐにまたスープにスプーンを入れる。
「野菜の旨味と、この、鼻からぬけてくトマトの香りがまたいいな」
まろやかな酸味を堪能し、続いて細かく刻んだ鹿肉を噛んだ。
「鹿肉をスープで食ったのは初めてだな」
「そうなんですか?」
「お? 知りたいか? それなら」
「うちの料理係は、肉は焼く、野菜や豆はスープにする。だから、毎日同じメニューなんスよ」
頭領の勿体ぶりをぶった切ったティコの話を聞いて、アーシェリアスは納得した。