一生とおばあちゃん
 3年後、私達に女の子が産まれた。

「今年は私達に女の子が産まれたよ。名前はレイだよ。ゼロからいろんな事を経験してほしいから"零"にしたんだ。」

すると、どこからか懐かしい誰かの声が聴こえ
た。

『そうかそうか、零ちゃんゆうんか。かわいい名前じゃ。あんたらに似て大きく育つ。これから大変じゃが頑張りなね。』

「え… おばあ、ちゃん…?」

 とても優しくて、どこか昔いつも聴いていた懐かしい心の明るい細い声。それはおばあちゃんだと思った。

「何か聞こえたか?」

「今ね、懐かしいおばあちゃんの声が聴こえた気がしたんだ。」

「よかったね。」

「うん。…あ、れなんで私泣いてるんだろ。おばあちゃんの前では泣かないってきめたのに。」

「もう、泣いていいんだよ。我慢するな。今日だけでも泣いてわがままを言えばいい。」

「うん。ありが、とう」

 二人で零を抱えながら泣いた。帰るときまた、

『頑張りいや。行ってらっしゃい。』

「おい、今…」

今のは奏くんも聴こえていた。

「うん。おばあちゃんの声。」

二人は見つめあったあと、笑顔で涙のついた顔で


「「いってきます!」」


と大きな声でおばあちゃんに深く心を込めて礼をした。

 その日は三人でゆっくりおばあちゃんでもついて来れるように歩いて帰った。


 零が大人になり、私達もしわがふえた。

零が孫を連れてきた。名前は一花。一人でも美しく強く生きてほしいと願ってつけたそうだ。

「零、これから大変だけど頑張ってね。」

「うん!」
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