幼なじみと恋愛講座をご一緒に。
そして、初めてのこんな大きな自分の声に驚く。
こんなふうに喧嘩するなんて初めてだ。
自分の気持ち気付くのに喧嘩しないと気付けないなんてどれだけ鈍感なんだろう。
「そんな訳、ないだろ!!」
「……。」
「花乃?聞いてる?」
自分の声の大きさに動揺していた。
なんだっけ?
一瞬、放心状態になったけど持ち直そう。
「…聞いてるよ。聞こえてる。
でもこのまま田代さんを無視する訳にはいかないでしょ?
いっくんに鵜呑みにするなって言われてますのでって言ったら保護者みたいって言われちゃったよ。
いっくんが可哀想って…………。」
いっくんが可哀想ってなに?
端から見た私たちって、いっくんが可哀想って映ってるのーーー?
「俺が可哀想って何で他人に決められなきゃなんないんだよって話だからな!
そんなこと一度も思ったことない!!
部外者の話を鵜呑みして、花乃と別れるなんて…想像もしたくない。
なあ?花乃がイヤじゃなきゃ、その…秘書課のやつと話つけるけど?」
へ?
二人で?
いっくんも鈍感なんだから!!