幼なじみと恋愛講座をご一緒に。
まったく。と呆れたような表情で本日の夕飯の手巻き寿司を一口つまみ食いをする花乃。

「いっくん。
 会話をしたいって言うならちゃんと聞いてよ。
 私は幹事なんだよ?
 幹事が欠席する飲み会って変でしょ?
 当日、お熱とかで欠勤だったら仕方ないと思うけど。
 いっくんのところだって、あるでしょ?
 別に不思議な事じゃないよっ!」

だったら、当日お熱が出たと言って欠勤したら?と言いたいが止めておく。

「そもそも、なんで花乃が幹事なわけ?」

「高橋さんから今年の新人さんは別の部署に出払っちゃってるからって、頼まれたの。
 何となく断れなかったし……。
 いっくん。これ運んで。あとは食べながらね!」

「ん。
 だけど、花乃?酒は禁止だからな。」

花乃が幹事って…一人なのか?
まさか、同じ部署の男と?
続きが早く聞きたいが、手渡された夕飯をテーブルに運ぶよう言われたのでまずはそっちを。
手巻き寿司に鶏の竜田揚げ、茶碗蒸し、味噌汁と最高に旨そうなメニューにテンションが上がる。
テーブルに揃ったところで二人揃っていただきます。をして夕飯がスタートする。

「うん!旨い!!
 花乃、疲れてるのにありがとな!
 で?花乃。さっきの続き。」

「…。
 だから、幹事を高橋さんに頼まれたの。
 消去法で私になったんだし特に深い意味はないと思うよ。」
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