青薔薇の至愛




土曜日の朝はいつも通りには起きられない。


ボーッと寝惚け眼のまま、目覚まし時計を見ると10時過ぎだと針が示していて、そろそろ起きないといけないのに、なんだか体が重い。


頭が痛いとか、体調が悪いわけでもないのに。

重力に逆らえない様な、体すら自由に動かせない重さだ。



スースーと、耳元で聞こえてくる寝息。


自分自身がまだ夢の中にいて、寝てるのかな?と、もう一度目を閉じようとすると。



「んー……あっつ」


寝息から低い声に変化した。



恐る恐る横を向くと、私のベッドの中でスヤスヤと朱ちゃんが一緒に寝てるから驚きすぎて声がでない。


しかも腕ががっちりと、私を掴んで離さないから起き上がれない。



ど、ど、どうしよう。



朱ちゃん起きてよ~!!







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