青薔薇の至愛
動かなくても汗が流れる季節は過ぎ去り、涼しく快適に過ごせる温度は楽しみを呼んでくれる。
もうすぐ文化祭。
私達のクラスは教室で男女メイド喫茶と決まって、メニューや飾りつけを考えていたのはいいけど……。
「ちょっと際どくない?……は?こんなもん??」
"男女メイド姿"と決まって、顔の良い雪羽君は裏方希望だったのに、メイドとして接客に駆り出される羽目に。
すごくスカートが短い桃色のメイド服を着た雪羽君は誰よりも似合っていて、雪羽君ファンが隠し撮りを始めていた。
「ほんと……最悪……」
「雪羽君似合ってるよ?綺麗だから何でも似合っちゃうね」
「男としては嬉しくない褒め言葉どうも。
つか優乃の方はいいのか?」
「へっ?」
「こんな短いスカート履いて接客って……朱光さん怒るんじゃね?」
「うっ……」
実はまだ、朱ちゃんにクラスの出し物のこと言ってない。
アイドル衣装の様に可愛くて桃色でフリルが付いたメイド服で接客なんて……朱ちゃんに言ったら怒られそうで言いたくても言えないよ~。
「その様子じゃ、まだ言ってないのか?」
「うん……だって朱ちゃん、すごく過保護だから。
制服のスカートですら、短いと怒るんだよ??
『たとえ風の仕業でも、パンツ見えたら即退学』とか口癖のように言ってるし」
「さすが朱光さん、すげぇ面白いこと言う。」
「冗談に聞こえるでしょ??
本気で言ってるの、本気で。」