青薔薇の至愛




「優乃ちゃん、元気~?」


ヌッと存在感を完璧に消している桜木さんが、いつの間にか私の隣に座っているから驚きすぎて声にならない声をあげた。



「^#%#**@!?」


「ははー、なに言ってるか分かんないねー。
 ちょーお久しぶりじゃん。
 こんなところでひとり、何してるの?」


「さ、さ、桜木さん……」


「はい、桜木さんでーす」



大変だ。

泉先輩よりも苦手な人が来てしまった。


今日は先輩に突撃される日かもしれない。


十字架を首にぶら下げていたら、絶対桜木さんに向けていたかもしれない。



「てか、さ。付き合ったんだって?朱光と。
 なんで俺に報告しないの?」


「あっ、はい。おかげさまで……?
 報告は朱ちゃんの方が桜木さんと仲良しですし……私が言うのも違うかなと……あはは」


「どうして?俺ら親友じゃーん」


「えっ」


「ね?」


「あっ、はい……?」


「えっ、いつから親友になったの?この俺と」


「えっ??」


「優乃ちゃんからかうの面白いね」


「ひえ」



ケタケタと悪魔が笑う。


朱ちゃん……どうしてこの人と仲いいんだろう。


怖いよ……。




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