青薔薇の至愛
文化祭の前日、ラストスパートだとクラスが一丸となって1日かけ準備をしていた。
下校時間はとっくに過ぎていて、みんな空の色が変わったことに気づかないまま一生懸命頑張っていた。
「これで当日はバッチリだね!
皆のメイド姿可愛いけど、名雲君と優乃コンビのお陰でうちのクラス大成功しそうじゃない??」
親指を立てながら芽愛ちゃんが言う。
「うん、優乃ちゃん可愛いから、明日お客さんのナンパには気をつけて。」
「芽愛ちゃんも葉純ちゃんもさすがに褒めすぎだよ……。
明日は雪羽君無双しそうだね、似合いすぎて男子まで見惚れてたもん」
「名雲王子は、女装も似合う美しさですから。
うえーん、名雲君のメイド姿の写真撮りたいし、なんならツーショしたいけど、あまり話したことすらないのにそんな事頼んだら蔑んだ目で見られそう~~。
冷たい名雲王子もアリだけど~」
「芽愛ちゃんって……本当に雪羽君のファンだよね」
「うん、顔がドタイプ」
直球すぎる芽愛ちゃんが今にもよだれを垂らしそうな顔で雪羽君を見ていた。
その視線にゾゾゾと鳥肌が立つ雪羽君は、「風邪でも引いたか?」と、腕をさすっている。