青薔薇の至愛




説明できないモヤモヤとした気持ちのせいで、預かった手紙を朱ちゃんに渡せないでいる。


受け取って何日経ったんだろう。


「……私が持ってちゃ駄目だってことくらい、分かってるのに」



文化祭が終わったら返さなきゃ。


渡そうと、努力はしてみたけどいざ朱ちゃんを前にすると思い留まってしまう。

正直に泉先輩に渡せなかったことを謝ろう。



「ごめんなさい……泉先輩」



手紙に向かってボソッと呟く。


どうしても自分の気持ちを優先しちゃう私は悪い子なんだ。


朱ちゃんが好きすぎて、些細なことでも嫉妬してしまう。


胸の奥にこびりついた気持ち悪い感情を振り払えないまま、着替えを持って浴室に向かった。







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