青薔薇の至愛
ペチペチと頬を叩いて気合いをいれ、料理を運ぶ。
小さい子からお年寄りまで、年齢層が幅広く、意外とメイド喫茶って受けるのかもしれない。
昼に近づくにつれてお客さんの出入りも激しくなっていき、時計を見るとそろそろ午後の子達と交代の時間だ。
「すみませーん」と声をかけられたのでフリルを揺らしながらお客さんに駆け寄る。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「おすすめは?」
「えっと、この『食べ盛りクリティカルヒットおむおむオムライス』が人気です」
お店から買ったオムライスに名前をつけた人……どうしてこの名前にしたんだろう……長すぎるよ。
「へぇー、じゃあこれで。
お前らは?」
「俺ポップコーンと……」
忙しいなか数時間もやっていると、接客も慣れてきて、全員分聞いた注文を裏方さんに伝えに行こうとすると。
ピラッと、スカートを軽く捲られる。
慌ててスカートを押さえて振り返ると、男の人達が私の反応を見て笑っていた。
「や、やめてください!こういうのは駄目ですっ」
「ごめんごめん。でもさ、もうちょっとスカート短くてもいいんじゃない?
その方が客も来ると思うけど」
「つか、他にサービスとかないわけ?
可愛い女の子目当てで教室入ったんだけど?」