青薔薇の至愛
下品に笑い始める男達にどう対応すればいいか分からなくて、「失礼します」と逃げようとすると。
グイッと手首を掴まれる。
「もうちょっと話しようよ~」
「でも注文伝えないと……」
「いいよいいよ、俺らお姉さん目当てだし。
な?」
男の人が仲間に問いかけると、全員笑い返して頷く。
ど、どうしよう……。
先生はお手洗いに行ってるみたいだし、雪羽君は他のお客さんとお話ししていてこっちに気づいてないし……。
逃げられないよ~~!
小心者の私はガツンと言ってやる勇気もなくて、今にも目から涙がこんにちはしてしまいそうな状況に視界がグルグルと回り始めると。
「ほーん、可愛いメイドに随分手荒な真似してんじゃん?"お客様"」
掴まれた手首から男の手が、突然現れた声によって離される。
「あ、朱ちゃん?!」
「よっ優。大繁盛だな。
お前が可愛すぎて客も途切れないか」
「終わったの?」
「他の奴らにバトンタッチしてきた。
つか、やっぱこうなると分かってはいたけど……実際目の当たりにすると……なあ?」
黒い笑みで朱ちゃんが私から目を逸らして、絡んできた男達に向けるから、見られている全員がビクッと体を震わせる。