青薔薇の至愛




「あ、朱ちゃんありがと……っ」


ギュッと握った拳を自分の胸元に当てながらお礼を言うと、朱ちゃんがヒラヒラと軽く手を上下に振って「いーっていーって。つかちょうど席空いてラッキー」とメニュー表を見始める。



「ねぇ、あの人めちゃくちゃカッコよくない?」


「芸能人みたい。手足もスラッとしてさ……顔がとにかくカッコよすぎる」


「さっきメイドさん守ってたの見た?!私もああいう人に守られたーい!!」


他のお客さんが朱ちゃんにハートを飛ばしはじめてるから、接客どころじゃなくなってきそう。


ていうか……朱ちゃん何でも似合うけど、ホストの格好似合いすぎだよ~~!


黒のスーツ姿なんて普段見れないから、いつもの朱ちゃんより大人に見えて色気が暴れだしてる……大変だ。



「朱ちゃん、なに食べる?」


「んー、どうしよ。オムライス頼んだらアレしてくれんのか?」


「アレ?」


「ほら、メイドちゃんがよくやるヤツ
 『おいしくな~れ、萌え萌えキュン』だよ」


「……っ」


「優ちゃんにしてもらいてぇ~~~」



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