青薔薇の至愛



そのメイド技は、雪羽君とその他私を含んだ恥ずかしがり屋のクラスメート達が絶対にしないとメイド喫茶をする上で皆で絶対しないと決めた……あの伝説の『萌え萌えキュン』。


陽キャの皆さんはノリがいいからお客さんに頼まれたらやってる子もチラホラいるけど……。


「む、無理だよ恥ずかしいもん」


「えー、どうしても駄目?」


「うっ……」


キラキラとした捨てられた子犬の様な朱ちゃんの上目遣いに、気持ちが揺らぐ。


「注文は『食べ盛りクリティカルヒットおむおむオムライス』でいいの?」


「なんつー名前してんのこれ。
 優ちゃんがしてくれる期待を込めて、おむおむ頼むわ」


「……はーい」


朱ちゃん、絶対やりたくないよ私。


でも……。


男の人達から助けてもらったし、朱ちゃん特別だよ?


本当は絶対やりたくないけど(※大事なことなので2回)



「お待たせいたしました、『食べ盛りクリティカルヒットおむおむオムライス』です!」



ピンクのテーブルクロスの上に可愛いお皿に乗ってるケチャップでハートを描いたオムライスを置くと、朱ちゃんがニコニコと期待の眼差しを向けてくるから、顔がひきつる。



……やっぱり、しなきゃ駄目?


渋々指でハートを作り、そこからはヤケクソだった。




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