青薔薇の至愛
動揺している朱ちゃんの腕を掴んで、全体重をかけ、一気に押し倒す。
油断していた朱ちゃんは呆けた顔で、私を見つめる。
「優……さん?」
「朱ちゃん、気づかないフリしたって駄目だよ。
私……朱ちゃんのことが好き」
「……っ」
「幼なじみとしてじゃなくて、男の人として」
朝井優乃、言ってやりました!!と興奮状態の頭の中は、今にもパニック寸前で。
顔が信じられないほど熱を持つ。
勢いとはいえ、朱ちゃんを押し倒してしまった。
筋肉がないせいか、プルプルと震えてきた両腕が力尽き、ペシャッと朱ちゃんの体にそのまま密着してしまう。
「あけちゃ、ご、ごめんなさい」
「……」
「……朱ちゃん?」
「はぁー……」
急にため息を吐く朱ちゃんは、額に手をあてる。
なにか悩んでいるその様子に今更不安になって体が震えてしまうけど、もう引き返すことなんてできない。
数秒の沈黙を破ったのは朱ちゃんからだった。
「ゆう、お前。覚悟できてんの」
「ーーへっ?」
返事をする前に、グイッと引っ張られた体は、立場が逆転し、朱ちゃんにいとも簡単に押し倒される。