青薔薇の至愛



心のこもっていない言葉に、どうしようもない恐怖を感じ、助け船を求めてウルウルとした瞳で芽愛ちゃん達を見つめても、二人とも「諦めろ」と目で返答した。



「あい、れっつらごー」と私の気持ちなんかお構い無しの桜木さんは、有無を言わさず教室を出ていくから、嫌々その背中についていくことに。


後ろからため息混じりの面倒見のいい雪羽君は、泣きそうな私を桜木さんと二人にしないよう空気を読んでついてきてくれた。



「ゆ、雪羽くん、ありがとう~」


「別にいいけど。桜木さんと二人にする方が心配だし」


「俺と二人っきりで困ることなんてないでしょ?
 ね、優乃ちゃん」


「……は、はい」


「明らかに怯えてるの、見て分からないんですか桜木さん」


「ふふーん、わかんなーい」



朱ちゃん不在の、このメンバーに違和感しかないけど
黙って階段を上る。



屋上は立ち入り禁止の紙が貼ってあり、鍵がかかってドアも開かないから、ドアの前で腰を下ろした桜木さんに従うように、私も段差にちょこんと座る。



雪羽君は腕を組んで、ドアに背中をくっつけめんどくさそうに桜木さんを見ていた。




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