青薔薇の至愛
雪羽君は、ポケットから取り出した飴玉を袋からだして桜木さんの口の中に放り込み黙らせる。
「まあ、あの人も色々と葛藤してんだよ」
「……葛藤?」
「うん。……まあ、そのうち朱光さんの我慢の限界が来るだろうし、気長に待っとけば??」
「……??雪羽くん、何言ってるか分からないけど、私長い間待ってるのに朱ちゃんってばずっと私の事女の子として見てくれないんだよ?!
もう、やってられないよ!!グレてやる、朱ちゃんのバカ!!」
「やばい、優乃がグレはじめた。
ど、どうすればいいと思いますか桜木さん」
「……」
「いや、今こそ喋れよ」
もう怒った。
こうなったら、とことん朱ちゃんに迫って迫って攻めるしか方法はないよ(?)
どうせ、私の気持ちなんかバレバレなんだから
今までの溜めてきた思い全部朱ちゃんにさらけ出しちゃお。
無視しても無駄だよ、朱ちゃん。
優乃は決めました、とにかく迫ります。
グッと拳を握りしめ、メラメラと意欲がわいてくる私に「なんか優乃が吹っ切れはじめたんだけど」と置いてけぼりの雪羽君。
桜木さんはまだ雪羽君から貰った飴を舐めていた。