青薔薇の至愛
「あーあ、眠っ。優、お前ほんと早起きだよな。
俺をこんな早くから起こしに来るってことは、もっと早くから起きてんだろ?あんま無理すんなよ~」
「ううん、私朝大好きだから大丈夫。
それに朱ちゃんが遅刻することの方が心配」
「これじゃあどっちが年上かわかんねーな」
朱ちゃんは笑いながら私の頭を撫でる。
触れられた場所がいちいちくすぐったい。
ねぇ、朱ちゃん。
朝が大好きなのは朱ちゃんに会いに行ける時間だからなんだよ?
そう伝えたら、朱ちゃんは困るかな。
ううん、というか。
「そんなに俺のこと好きか」って、頭撫でられて子供扱いされるのが落ちだと思う。
朱ちゃんはきっと、私のこと女の子として見てない。
だからあんなに、簡単に触れてくるし
私みたいにドキドキしてる様子もない。
……こうして朱ちゃんを起こすことができるのは、幼馴染みとしての特権だけど。
女の子として見られないのは、複雑だなぁ……。