青薔薇の至愛




雪羽君はクラスメートで、朱ちゃんの友達だからすごく話しやすい。


朱ちゃん以外の男の人で一緒にいて落ち着くのは、雪羽君だけだと思う。



「朱光さんに名雲くん……あんたの周りにはカッコいい男しかいないのね」


「えっ」


「優乃ちゃんそれ、自慢」


「えぇ!?葉純ちゃんまで!!」


「まあ、友達はたくさんいても困らないしさ~。
 というわけで、優乃、私が紹介してあげる」



行動が早い葉純ちゃんが、階段の手すりに体を預けながら、シュバババと慣れた手つきでスマホを弄っていた。



そして、次の日の放課後。



なんでこんなことになっちゃったんだろう……。



「おい、またガターじゃん」


「お前下手すぎ」



芽愛ちゃんに半ば強制的に連行され、連れてこられた場所はボウリング場。


ガターンと音を立てて、ボールが落ちていくのをメロンソーダを飲みながら眺めていた。



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