青薔薇の至愛




「優」


「……」


「おい、優」


「……」


「優乃さ~ん?」


「……っ!?は、はい!!」



考え事していたせいで、朱ちゃんの声に気づかなかった。


うっ……私としたことが。



「ボーッとしてどうした。
 まさか熱か?顔赤いし」

「……っ、これはその多分違う熱だよ」

「なんだよ違う熱って、意味わかんねー。面白いなお前」


「そんなことより朱ちゃん……」


「ん?」



「着替えるなら言って……よ」



目の前で普通に着替え始める朱ちゃんに、我に返った瞬間目のやり場に困ってしまって。


こんなことなら朱ちゃんが着替え終わるまで、ボーッと考え事しとけばよかった。



「今さらなに言ってんだ、お前俺の裸なんて見慣れてるだろ」


「それ小さい頃の話だよ」


「お前をお風呂に入れたのもこの俺だぞ。
 裸の付き合いなんてな、昔はよく……」


「もう朱ちゃん黙ってよ」



「俺の優乃がついに反抗期を迎えてしまっただと……!?」



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