青薔薇の至愛






泣いた振りをする朱ちゃんに冷たい視線を送る。


神様、私の好きな人ってどうして乙女心をちっとも分かっていないんでしょうか。




着替え終えた朱ちゃんが、机に置いてある鏡を見ると。


引き出したから箱を取り出す。


箱を開けると、黒色のカラコンが入っていて。
慣れた手つきで目につけた。



「よし」


「……朱ちゃんいつも黒のコンタクトするよね?
 どうして?青でもカッコいいのに」


「んー?そりゃあお前コンプレックスは隠さないと」


「……カッコいいのに」


「はいはい、そんなん言ってくれるの優乃だけだよ。ありがとな」




朱ちゃんは生まれつき瞳が青い。


朱ちゃんのお父さんもお母さんも日本人なのに、そのせいで昔は『拾われた子』なんて周りからからかわれたりしてた。


……そのからかいも、朱ちゃんすぐ黙らせてたけど。



やっぱり気にしてるんだ。



本当に……カッコいいのに。




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