青薔薇の至愛
私の気持ちなんてすべてお見通しだったってこと?
そう思うと、冷めない顔の熱が更に上昇し、照れを隠すように朱ちゃんを睨むと「ごめんごめん」と小さく笑っていた。
「つーわけで優、もう俺以外に目を向けようとすんなよ」
「向けてないもん。それに朱ちゃん以外好きになれる気しないよ~」
「うんうん、そうじゃなきゃ何しでかすか分からないもんな俺」
「それはちょっと見てみたいような……?」
「お前も懲りないねぇ」
いつも子供扱いされてるとばかり思ってたから、まさかヤキモチ妬いてただなんて。
嬉しくて、くすぐったくて。
朱ちゃんの嫉妬に含まれた甘さは、中毒になってもおかしくない。
そのぐらい、嬉しいんだ……両思いって。
「朱ちゃん、抱き締めてもいいですか?」
「えっ、可愛すぎて手出しそう。先が思いやられる」
「ふふん、朱ちゃんになら何されても嬉しいね」
「理性試してんの?好きだね~お前も」
「朱ちゃんは我慢強い子だね」
「まあ、好きですから」
よしよしと頭を撫でられる。やっぱりどこか子供扱いされているような、幼馴染みだった頃の癖が抜けないだけなのか。
それでも嬉しいから、静かに朱ちゃんに撫でられてた。
なんだか今日は、幸せな夢が見れそうだ。