青薔薇の至愛
「えい!」と勢い任せに朱ちゃんに抱きつけば、「ぶはっ」と笑い声が聞こえてくる。
「なにを朝っぱらから真剣に悩んでるかと思えば。
優乃ー、お前そんなに俺のこと抱き締めたかったわけ~?」
「なっ……!?ちが……っ、違わないけど、やっと朱ちゃんの恋人になれたからいつも通りの起こし方じゃ、つまらないかなと思いまして……」
「ははーん、つまり優乃ちゃんはそんなに俺にベッタリ隙間なくピッタリと朝からくっつきたかったわけですか」
「そ、そこまで言ってないよ!!」
「はいはい、おはよう。
いいね、彼女に起こされる朝っていうのは。
欲望に忠実になれそうだな」
「朱ちゃんはいつも好き勝手な気がするけど」
「えー、こんなに我慢してんのに。
お前俺の本気をしらないだろ。
俺が本気になればお前なんかすぐ押し倒して」
「朱ちゃん、早く着替えてね??」
朱ちゃんが変なことを言う前にそそくさと部屋から出ていく。
朝から受けた、過激な発言(?)に恥ずかしくなって、ドアの前でヘナヘナと力が抜けて座り込む。
自分の頬を触ると、やっぱり熱くてどうしてこうも顔にでちゃうんだろう……。
付き合ってからも一枚上手な朱ちゃんに、翻弄されるのは私で。
私だって朱ちゃんのことドキドキさせたいのに~~!!