その瞳に黙らされる。



「美優が俺のだって、これでわかるようになった。」

「っ、見えちゃうじゃん...」

「じゃあこれ、貼ってあげる。」



彼はポケットから絆創膏を取り出して私の首筋に貼る。



「これで、お揃い。」



彼はいたずらで嬉しそうな、余裕の見える表情を浮かべる。



「しーっ。」



彼は私の目を見つめてまたそう言う。

いくつかの足音と高い笑い声がする。



彼は私の黙らせ方を知っている。

そのガラス玉みたいな、ガラス玉よりもっと綺麗な瞳で見つめられたら、私は溺れて彼に抗えなくなる。



もっともっと溺れてしまおうか。



彼の瞳がいたずらに笑う。



「俺らの関係は秘密、美優は俺だけのもの。

だから、しーっだよ?」





< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

Be My Valentine.

総文字数/4,269

恋愛(学園)10ページ

表紙を見る
透明な世界で、ただひとつ。

総文字数/41,327

恋愛(純愛)115ページ

表紙を見る
希望の華

総文字数/10,837

歴史・時代22ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop