その瞳に黙らされる。


人気な彼だからこそ、



「辻くんと方面一緒なんでしょ?いいなぁ、話したりする?」



こんな言葉を何度も毎日のように投げかけられる。



「まさか。時間とか車両違うし、見かけてもかっこよすぎて声かけられないよ!」



そう嘘ついて隠していた。

だから誰も私たちに面識があることは知らない、私たちの通学友達という関係は秘密の関係でもあった。



「あ、辻くんだ、今日もかっこいい...」

「ほっぺたに絆創膏貼ってる、怪我したのかな?」

「大丈夫かなー、にしてもホント眼福眼福。」



こうやって周りと変わらない、辻くんのご尊顔を拝める人になりかわる。

隠していることは友達には申し訳ないが、それでいてどこか優越感を持っている。


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