初恋物語~大切な君へ


「良いよ。」




近藤君は歌とか唄うの好きなのかな?
私は唄う事が大好き。
カラオケに行きたいと行ったら近藤君、
嫌な顔しないかな?
私の勝手なイメージだけれど、近藤君
カラオケとかわちゃわちゃしたところ
苦手なのかなぁと思っている。
もっとこう、静かな場所を好みそうな。
言うだけ言ってみようかな…。



「カ…カラオケに行きたいなぁ。」




木梨の口から意外な場所が出てきた。
カラオケかぁ。
木梨がカラオケとか行くイメージがなかったから正直結構驚いた。
だけど木梨の歌声すごく気になる。
また、1つ木梨の事知れて嬉しい。



「カラオケ良いな!行こう。」
「木梨、カラオケ好きなの?」



「好きだよ♪」
「カラオケと言うより唄うのが大好き」
「で、カラオケ行ったら」
「思い存分歌を唄えるから♪」



「なるほどな。」
「早速木梨の唄声聴きたくなってきた。」




「近藤君、そんなハードル」
「上げないで(笑)私唄う好きってだけで」
「歌唱力ないから(笑)」
「近藤君はカラオケ行ったりするの?」



「行くよ。」
「颯とか慎吾とか他のツレとかでも」
「行ったりしてたし。」



「それなら良かった!」



「スープも飲み終えたし店出て」
「カラオケ行くか。」


「そうだね!」


私達はレジに向かって会計を済ませる
為、自分の食べた物を払おうとすると
近藤君がまとめて2人分払っていた。



「近藤君!お金!」


「えっ?要らないよ。」


「えっ!なんで!?」
「自分で食べた物くらい払うよ!」
「だからはい!」


私は近藤君に1500円を差し出した。



「だーかーらー!」
「要らないって。」
「今日ぐらい払わせてよ。」


「でもさっきも映画代奢ってもらって」
「るし…ご飯代払いたい!」


「あはは!」



「なんで笑うの?」




木梨って意外と頑固だよな。
でもそこもまた可愛いくて愛おしいだよな。
しかもムキになる時頬を膨らませる仕草とかマジで破壊力ありすぎる。
その頬をに溜まってる空気を抜きたくなるんだよな。



「いや、意外と頑固でムキになって」
「頬膨らんでる姿見たら面白くて」
「可愛いなぁって思ってさ。」




「可愛いくないよー!」
「それに頬を膨らませてるの言われて」
「自覚しちゃった。」



「まぁ今日は甘とけよ!」



「それじゃ次行くカラオケは奢らせて」
「よね。」



「わかったわかった!」
「次のカラオケ時はそうしてもらうよ。」



こうして私と近藤君は近くのカラオケに向かい歩き出した。
外は午前と比べ人が増えていた。
それもやはり恋人同士の人達が多い…
みんな楽しそうに微笑みながら歩いていたり、
お店の前で並んだり様々クリスマスイヴを
過ごしている。
去年は2日とも家族と美桜で過ごしていた。
だから今年こんな風に異性と2人でクリスマスイヴを過ごす事になるなんて1ミリも
想像していなかった。
街の人達は私達をどんな風に見ているのだろ…。
初めての事ばかりでそう不思議な気持ちになった。




「ご利用お時間どうされますか?」




「木梨、何時間にする?」




「今何時だっけ!」



「今15時。」



「2時間でお願いします。」



「かしこまりました。」
「お部屋は208号室になります。」
「ゆっくりお楽しみ下さいませ。」


私と近藤君はエレベーターに乗り208号室前に着いてそのままドアを開け部屋へ
入った。



「結構広いんだな。」



「本当だね!」


俺は長いソファーの左側に座る。
そして、木梨はと言うと反対側の右のソファーに腰を下ろしていた。
えっ…そっちに座ってしまうんだ…。
ちょっぴり寂しい気持ちになってしまっていた。
てっきり俺の横に来てくれるのかとちょっと自信あったんだけどな…。
それにしてもこの距離感やはりぎこちなくなるな…。



「木梨、ここ座れよ。」




「えっ?!」
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