初恋物語~大切な君へ


「んな訳…!」



「誤魔化さなくていいよ!」



「ちょっと美桜待てって。」
「どうして知ったんだ?」
「そうだ…俺は雫が好きだよ。」


「優君…だって雫といる時の優君」
「大切な人を見る目になってるし、」
「それに態度に現れてるから。」
「雫がそれに気付いてないのが鈍い」
「だけ。」



「はぁ…バレバレか(笑)」



「だけど、優君さぁ雫は妹で…」


私はここからあまり周りに聞かれたくなかったので少し声のボリュームを下げて話しを続けた。
どこで誰がどう聞いてるかわからないしね。



「うん…だから叶うはずのない恋だ。」



「優君…雫には…」


「言うよ…気持ち伝える。」
「そして前へ進もうと思う。」


「そっか…。」
「だけど、優君いつからだったの?」
「私が気付き始めたのは中学のあの」
「雫の事件からだけど。」



「小学校6年の時から。」
「雫と2人でお留守番した時にさ」
「外は突然大雨で雷もなってて。」
「雫がすごく怖がってさ俺に抱きついて」
「きてさ。」
「その時、妹として愛おしいじゃなく」
「1人の女の子としてすごく愛おしいく」
「愛おしいくてたまらないって気持ち」
「が溢れ出した。」
「駄目ってわかっていても気持ちは」
「止められないし誰にも言えない虚し」
「くてたまらない時もあった。」




「優君はこれから雫に言う事によって」
「雫がどんな気持ちになるか」
「考えたうえでの決断って事だよね?」



「ああ。」
「きっと雫は困惑するし下手したら」
「俺、嫌われるかもしれないし」
「兄として失格だと思う。」
「だけど、なにも言わないまま」
「失恋なんて嫌だし、ちゃんと雫の事」
「好きなんだって事を知って欲しくて。」
「だから決めたんだ。」



「優君…頑張れ。」
「この事は雫にも他の誰にも言わない。」
「私の心に閉まっておく。」
「ちゃんと優君が前に進めるのなら」
「告白するの応援する。」


「美桜ありがとう。」


「ねぇ、約束通り私がなんで」
「優君に好きな人いるのか聞いた答え」
「教えるね。」




「あっ、そうだったな。」



「本当は帰りに言おって思って」
「たんだけど、今から私が」
「言う事ちゃんと聞いてね。」



「うん。」




「私、優君が好き。」



「…えっ?」



美桜が俺を?
マジかよ…全然そんな…あっ…
確かに最近の美桜はなんだか俺に積極的だなと思った事あるし、今日の美桜の
仕草や服装も考えるとそうだし今日のクリスマスだって2人で過ごしたいって言ってきたのも確信はなかったがちょっとは
そうなのか?とは思った。


「優君が大好きなの。」
「中学からずっと想ってた。」
「だけど、優君なかなか気付いて」
「くれなくてさ(笑)」
「挙句には妹である雫の事が好きな」
「んじゃないかなって変に」
「勘づいちゃったしで…。」
「だから私も気付いてもららえるよう」
「に告白しようって。」



「美桜…。」



「だってちょっとでも意識して」
「ほしいって思うだもん(笑)」



「美桜の気持ちちゃんと伝わった。」
「ありがとう。」
「だけど俺、雫がどうしても好きだ。」



「そんなのわかってるよ。」
「今すぐなんて言ってないよ?」
「雫の事好きなのはじゅうぶん前から」
「わかってる。」
「だけど私は少しでも優君の力にも」
「なりたいと思うし寄り添いたいの。」
「優君が前に進めるように私支えたい。」
「だから、いつかさ優君が乗り越え」
「られた時は私の事見ててほしい。」



「わかった…。」



「この告白は予行練習って事で(笑)」



そう言って美桜は俺に笑顔を向けた。
その笑顔が少し切なく見える。
俺も前に進まないといけないのは確かで
美桜の告白も正直嬉しかった。
だから尚更ちゃんとケジメつけて美桜とも
向き合って行こうと俺は今決めた。




「ちゃんと美桜の告白考えるから」
「向き合うから予行練習とか言うな。」
「せっかく俺に勇気振り絞って言って」
「くれたんだろ?」



「優君…ありがとう。」
「嬉しい…泣きそ。」


「嬉しいのに泣くなよ(笑)」



「うん(笑)」



「さてと、この後どうする?」
「俺、この間美桜が言ってた新作の」
「ゲーム買ったんだけど家来てするか?」



「えっ!もう新作のゲーム買ったの!?」
「したい!私気になってたの!」



「それじゃー決まりだな。」
「それ食べたら帰るぞ?」




「うん!」


私は急いでチーズバーガーを食べ終えた。
そして店を出てそのまま私と優君は
優君の家へと向かった。
帰りの途中電車の中は空いていて優君は
座席に座るなり軽い眠りにおちていた。
私はと言うと雫に優君に告白した事を
LINEで報告した。
その後は優君の家で楽しくゲームをしながらクリスマスを楽しんだ。






美桜&優馬編
end
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