初恋物語~大切な君へ


「雫、そろそろ予約してる」
「レストランに向かおうか。」



「あっ、もうそんな時間なんだね!」
「時間経つの早すぎる(笑)」



「俺もそう思う(笑)」
「今から1駅前の駅にあるから電車」
「に乗るよ。」


「うん。」



「雫、大丈夫?疲れてない?」



「全然大丈夫だよ!」




そう言いながら雫は右手で右髪を耳にかけた。
その右手首には星型をモチーフにした
可愛いらしいブレスレットがチラチラと
光輝いている。
今日、雫と会った時真っ先にそのブレスレットが目に映った。
だけど中々聞けるタイミングがなく
今に至る。
だけど今から駅までもう少し歩くから
聞ける良いタイミングだと俺は思い
聞いてみる事にした。
答えは予測はしているけれど…。




「雫、ひとつ聞きたい事があるけど」
「良いか?」



「ん?聞きたい事?」
「何かな?」




「その右手首のブレスレットって」
「前から持ってたっけ?」




「えっ?」
「これ?ううん前からは持ってないよ。」




「もしかしてプレゼントで貰ったり」
「した物?」



「うん。」
「昨日、近藤君と遊んだ時に」
「クリスマスイヴのプレゼントで」
「貰った。」




「そっか…。」
「そのブレスレット似合ってるよ。」



やはり圭介からのプレゼントだったか…。
悔しいけれど雫にとても似合っている。
圭介本当センス良すぎだろ。
と言うか被らなくて良かったとホッとしている。
雫、俺のプレゼントも気に入ってくれるだろうか…。
今から行くレストランで告白の時に渡す予定の雫にちなんで雫型の水色のペンダントで型はおっきくなく小ぶりでさり気なく
光る。
俺のも似合うと確信して買ったんだ。
もっと自信持て俺…。



「雫は何か圭介にプレゼントしたの?」



「うん!」
「メガネケースをプレゼントしたよ。」



「そっか(笑)」
「圭介らしいプレゼント」
「を選んだんだな(笑)」


「でしょ?」
「眼鏡かけてるから日常的に使えそう」
「かなと思って(笑)」



「確かに(笑)」
「あっ、やっと駅着いたな!」
「ちょうど後5分で電車くるな。」
「切符まとめて買ってくるから」
「雫はここでちょっと待ってて。」



「わかった。」
「あっ、颯太君!待って!」



「ん?」



「はいこれ私の切符代。」



「いいって(笑)」
「180円だし(笑)俺出しとくって。」



「ええー悪いよ。」



「もう電車来るから急いで買わないと」
「だから雫さん言う事」
「聞いてくださいまし(笑)」



「わかったよ(笑)」
「颯太君、ありがとう!」




「雫、お待たせ!」
「もう電車来そうだから急ご!」
「ほら、手。」



「あっ!はい!」



私は颯太君に手を繋がれたまま駅のホームの階段を2人で駆け上がった。
なんだか久しぶりにこんな全速力で
階段を駆け上がったからなんだか可笑しくてだけどすごく楽しい。


「「間に合った!」」



「あはは!」
「おもしれぇ(笑)」
「2人同じタイミングで言ったね!」


「本当だ(笑)」
「だって私も颯太君も必死」
「だったんだもん(笑)」


「本当雫と居ると楽しい。」
「飽きないわ(笑)」



「そう言ってもらえて何より(笑)」


「駅降りたらすぐに着くから」
「もう急がなくて良いからね。」


そんな話しをしているとすぐに目的の
駅に到着した。
私はそのまま颯太君に手を引かれながら
レストランまでたどり着く。
目の前に見えるレストランは何とも言えないほどものすごオシャレなイタリアンレストランだった。
外装はアンティークの木製素材で出来てい入り口前には様々な観葉植物が飾られていた。
店内に入るととてもシンプルな円形型のテーブルや椅子などがあった。
私達はウエイターに案内されるまま
指定された席に座り店内のサービスの説明を聞く。
そして説明を聞き終わり今から颯太君が
事前に予約していたコースが順番に運びこまれる。



「颯太君、なんだかここのレストラン」
「のコースがまだ見てないけど」
「凄そうなのが伝わるんだけど。」




「うん(笑)」
「凄いオシャレだから楽しみに」
「してて。」



「うん!」
「颯太君あのね、はいこれ。」




「えっ?」



雫から唐突に四角いラッピングされた
箱を渡された。
これって、クリスマスプレゼントなのか?
てっきり雫からもらえるなんて思っていなかったからかなり今動揺と嬉しさが
交差で俺の心がはしゃいでいる。




「颯太君にクリスマスプレゼント。」
「いつもお世話になってるし。」
「良かったら開けてみて♪」



「わかった開けるね。」


雫に言われるがまま俺は綺麗なラッピングを丁寧に外し白い四角い箱を開ける。
するとそこには腕時計が入っていた。
それもシンプルなのにめちゃくちゃオシャレな黒色の時計。
ベルトは少し細くて皮でできている。
針は金色で6の数字の部分には日付が表示
されるようになっている。
これはいわゆるソーラー時計だった。




「雫…ヤバ…。」



「もしかして好みに合わなかった?」
「ごめんね…。」



「いやいやそうじゃないって!」
「その逆だし!」
「めちゃくちゃ好みだ!」
「嬉しすぎてヤバいんだよ!」




「それなら良かった!」
「めちゃくちゃ安心したよ(笑)」
「ヤバって言うからてっきり」
「全然好みじゃないのかと思った(笑)」




「マジで雫もらって良いの?」
「一生大切にする。」
「今まで持ってきた腕時計の中で」
「1番のお気に入りになった。」




「お客様お話し中失礼致します。」
「お料理の方お持ち致しました。」
「こちらが前菜のアンティパスト」
「でございます。」
「左側がハムメロンで右側に」
「サーモンとタコのカルパッチョ」
「でございます。」
「その合間の上にございますのが」
「カクテルパプリカとカツオのサラダ」
「でございます。」
「どうぞごゆっくりお楽しみください」
「ませ。」
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