初恋物語~大切な君へ


「お前大丈夫か?」
「木ナッシーと颯太の…件。」



「うん…。」
「俺、それでも木梨の事好きで」
「どうしようもないから想い続ける」
「事にした。」
「木梨に気持ちも伝えるよ。」
「その辺は颯も知ってるから。」



「お前…すげぇなぁ(笑)」
「イコール諦めないって事だろ?」
「開き直ってるのもあるのか(笑)」


「かもな(笑)」


「まぁ、頑張れや(笑)」


「おう。」



「なぁーなぁーこれからどーする?」
「俺的にはみんなで颯太の家に」
「遊びに行こうと思うんだが!」



「ちょっと!慎吾なに勝手に決めて」
「んだよ!(笑)」



「私と雫行った事ないから行って」
「みたいかも!」



「ほらー長谷川さんもこう言ってるし!」
「木ナッシーも行ってみたいって」
「思うだろ?」


「うん…颯太君が迷惑じゃなければ。」



「ほら、彼女もそう言ってる事だし!」



「別に迷惑じゃないよ。」
「じゃ、来るか?」



「よし!決まりだな!」



こうして私達は颯太君のお家にお邪魔する事になった。
みんなと行くとは言えなんだか緊張してきた。
あれから私達は学校を出て今、颯太君の家に向かっているのだけれどどんどん颯太君の家に近づいて来る度に緊張度が増していた。
私の右隣には颯太君、左隣には近藤君で
私はその真ん中。
そして美桜と増田君は私達の後ろを歩いていた。




「木梨、どした?」



「雫?」




「あっ、ごめんなさいちょっと」
「緊張しちゃってて。」



「颯の家初めてだから緊張してんだろ?」
「初めての彼氏の家だもんな。」
「大丈夫だ…木梨は颯にとって自慢の」
「彼女だろ?」
「ご両親がいたとしても堂々としてて」
「いいんだぞ?」




そう言いながら近藤君は私の頭も撫でる。
不意打ちの事でびっくりしてしまった。
近藤君、なんだか最近私の事妹みたいな
扱いしてる?
そんなに私子供ぽっいのかな?



「なぁ?そうだろ颯?」



「ああ。」
「それはそうと圭介ちょっと雫に触り」
「すぎ。」



「あっ、ごめんちょっと慰めたくて。」
「妹と同じ扱いしてしまった。」


そう俺は言うけれど本当は違う。
木梨の事が無償に愛おしくなったのだ。
だから自然と頭を撫でてしまっていた。
さすがに颯の前でやるのは駄目だな。
これは俺が悪いと反省をする。


「それなら良いんだけど。」



「そー言えばさ、来月長期マラソン」
「あるんだっけ?」
「しかもこの行事1年だけって優君」
「行ってた。」




「げっ!Σ忘れてた…。」
「颯太と圭介はマラソン得意だよな?」
「走るの速いし。」



「おいおい、勝手に得意って決めんな。」
「俺別に得意じゃないし。」
「マラソンってあまりスピード出して」
「走れないだろ?」
「俺、リレーなら得意なだけ。」


「俺も圭介と一緒だわ。」



「みんな来月は頑張るしかない時期」
「だな。」
「あっ!待て!」



「なんなんだよ!?」
「急に大声だして。」
「とうとう慎吾バカなったか?(笑)」


「颯太~俺はバカじゃないぜ(笑)」
「2月って男子が究極にソワソワする」
「日があるじゃん!」



「増田君が言いたい事って」
「バレンタインデーの事?」



「長谷川さんやはり理解するの早いな!」



「いやいや(笑)」
「あこまで言えば誰しもがわかる」
「はずだよ?(笑)」



「木ナッシー、長谷川さん!」
「2月14日友チョコ頂戴ね!」



「慎吾!ねだるな(笑)」
「あっ、俺の家着いた。」



「「えっ!」」
「「ええええええ!!」」




私と美桜は目の前に見える豪邸に度肝抜かれた。
ここが、颯太君の家…。
ちょっと…想像以上にデカい。
ここは海外のセレブの家?って疑ってしまう程凄すぎた。
白で統一されている4階建ての一軒家。
門も広くて高い柵で囲まれている。




「雫?美桜ちゃん入らないの?」



「あっ、ごめん凄すぎて見入って」
「しまってた。」
「美桜行こ。」




「あっ、雫待って!」
「ねえなんで増田君や圭介君は」
「びっくりしないわけ?」
< 127 / 155 >

この作品をシェア

pagetop