初恋物語~大切な君へ


なんだろ…他に用事があるのかな?
私はとりあえず颯太君の言う通りに
1度持ったお茶菓子を一旦テーブルに
置いた。



「颯太君?」




「雫…。」


そう言って颯太君は私に近づき、
そっと右の髪を触れてきた。
彼の目は真っ直ぐ私に向けている。
私の胸の鼓動が早くなり私自身彼の目から
離れられないでいた。
既に私の身体は身動きできないほど
パニックになっていた。





「そ…颯太君…?」



「目を閉じて。」



「う…ん。」


私は言われるがまま目を閉じた途端、
暖かくて柔らかい物が私の唇に優しく触れてくる。
その瞬間私は理解した…キスをされたと
言うことに。
彼から伝わる優しいキスは私の心を暖める。
私もそれに応えるように身体の緊張が解けていく。
そして少しするとゆっくりと颯太君の唇は
私の唇からそっと離れた。



「雫…。」



「颯太君…。」



「雫…大好きだよ。」



「私も颯太君が大好き。」



「つっ!雫ヤバすぎる。」



「えっ?」



「可愛すぎてまたキスしたくなった。」



雫…本当何なんだよ…めちゃくちゃ可愛すぎて俺、歯止め効かなくなりそうだ。
雫はキスの後火照ってた顔で俺の事を
大好きだと言ってくれた。
そんな雫を見てしまったらまた俺はキスを
したくなる衝動になってしまう。
そうなってしまった俺はもう既に遅すぎた。
もう俺は雫の言葉を聞けぬ余裕などなく
そのまま再び雫の唇に口付けをしていたのだ。



「ん…っ!!」



再び颯太君からのキスが私の唇を噛み付いてきた。
今度のキスはさっきよりも強引で欲望と言うより好きの気持ちが強いほどに伝わる。
私はそれに応える事でいっぱいいっぱいに
なり、すっかりお茶菓子を持って行く事を
忘れていた。
そして段々と彼のキスは更に深く私の口の中に何かが割って入ってきた。
一瞬なんだかわからなかったが舌だと言う事にようやく気付き私はものすごく今までに感じた事のない身体の痺れのような感覚を体験した。




「っは…!颯太君!」



「雫も俺と同じ感じでしてみて。」




そう彼は言ってまた再び同じキスを
してきた。
私は彼の気持ちに応えたくて一生懸命お互い慣れない深い口付けをしばらくの間
続き、ようやく私達は満足してキスの時間は終了となった。



「雫大丈夫か?」



「うっ…うん。」
「だけど腰が抜けそうだった。」



「それだけ一生懸命感じて」
「くれたんだね。」



「颯太君!」
「それ、恥ずかしいから言わないで///」




「ごめん///」
「俺も自分から言っといてめちゃくちゃ」
「恥ずかしくなった(笑)」
「だけど雫の愛が伝わって」
「嬉しかったよ。」



「それは私も同じだよ////」



「それなら良かったよ!」
「とりあえず遅すぎたら怪しまれる」
「だろうからそろそろお茶菓子」
「持って部屋戻ろ。」



「うん。」




俺と雫はテーブルの上の2つに分かれているお茶菓子を持って部屋に戻った。




「2人ともやっと戻ってきた!」



「颯太~木ナッシーとイチャついて」
「ただろ?(笑)」




「さぁーどうだろうな(笑)」
「後藤さんと3人で少し話し」
「してたんだ。」


「木ナッシーそうなの?」



「へっ!?」
「あっ…うん!そそうだよ!」



「みんなとりあえずお茶菓子持って」
「来たんだから食べよう。」
「後藤さんが昨日作ったどら焼き」
「後はドリンク。」




「後藤さんどら焼き作れるとか」
「凄いね!」
「私、クッキーしか作れない(笑)」
「雫はお菓子作り得意だよね♪」



「木梨、今度木梨の作ったお菓子」
「食べてみたい。」



「俺も!木ナッシーのお菓子食べたい!」
「長谷川さんのクッキーも食べたい!」
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