初恋物語~大切な君へ



「颯太君が謝る事じゃないよ。」
「私がちゃんとしっかり挨拶しなきゃ」
「いけないのにすごく緊張しちゃってて」
「変に身体が硬直して力入りすぎて。」
「とりあえず無事なんとか挨拶はできて」
「家を出た途端ホッとしちゃって(笑)」




「緊張してるように見えなくて」
「雫すげぇーなぁ堂々と挨拶して」
「かっけぇーなって俺は感心したよ(笑)」
「だけどすごく緊張してたんだな。」
「気付いてやれなくてごめんな。」
「だけど良く頑張ったな!」
「偉いぞ雫!(笑)」






「ちょっ!////」
「颯太君恥ずかしい!」
「人、見てるよ!?」



私は人目気にせず颯太君に頭を撫でられていた。
私達の周りにはきっと駅に向かうであろう
と思われる社会人の人達や主婦の人や
子供など色々な人が歩いている。
頭を撫でられるのはすごく嬉しいけれど
やはり人がいる公共の場所ではまだまだ
慣れなくて恥ずかしい気持ちでいっぱいいっぱいになった。





「雫、顔真っ赤!」
「ごめんごめん(笑)」





雫は本当に素直で照れ屋で雫の反応見てる
と全然懲りずにずっと見てられる。
恥じらっている時の雫の顔からはすごく
色気が出る。
頬が赤くふんわりと染まりそれを長い艶髪が隠し恥じらう君が不意に大人の女性に見えてしまう。





「なぁ雫帰りマジで気をつけて」
「帰りなよ?」






「うんありがとう。」





「雫本当に気をつけて…今日の雫」
「スゲェ大人ぽっくて色気出てるから。」






「そっ!颯太君!?////」
「何言ってるの?!」
「私、全然色気なんかないし大人ぽっく」
「もないよ。」





「雫って自分の事は全然わかって」
「ないよな(笑)」
「なんかさ、雫は幼い頃の時も俺と」
「付き合う前も可愛いくてなんかこう」
「守ってやりたくなる可愛いさだった」
「のに俺と付き合いだしてから段々と」
「本当色気が出てさ大人ぽっくなってる」
「んだよ。」
「つまり、雫を狙う悪い男が現れる」
「かもしれないから気をつけてって意味」
「なんだよ。」





「颯太君心配してくれてありがとう。」
「わかった気をつけて帰るね。」
「それじゃ、駅着いたからこの辺で。」




「また学校でな!」
「今日は家来てくれてありがとう。」





「こっちこそありがとう。」



私は颯太君に手を振り駅のホームへ歩く。
やはり颯太君が隣にいなくなると寂しくて
冬の冷たい風が私の頬にまとわりつく中
また、颯太君がいる後ろに振り向きそうになるけれどそこは我慢をする。
だって、ここで振り向いちゃったら私
きっと家に帰れなくなって家族に心配かけちゃう。
だからそのまま私はエスカレーターでそのままホームまで行き、電車の窓から夕陽を
眺めながら家に帰って行った。















2月13日(日)



「雫これ先使って良いよ。」
「スプーンでチョコ混ぜるの」
「大変でしょ?」




「美桜ありがとう。」
「助かるよ!」
「やっぱり美桜はすごく気が利く」
「女性で憧れるよ。」



「雫私の事褒めすぎ」
「でもそう言ってもらえて嬉しい。」
「あっ、雫チョコもう混ぜるの」
「そのくらいで良いと思うよ。」
「生チョコ出来上がった時混ぜすぎると」
「口当たりの滑らかさがなくなっちゃう。」




「あっ…私すっかりその事忘れてた。」
「まだセーフかな?」



「うんセーフセーフ。」



私と美桜こうして楽しく友チョコ用と本命用
のチョコを楽しくお喋りしながら気持ちを込
めて作った。
私は颯太君以外は生チョコで颯太君には本命
のチョコレートブラウニーを作った。
みんな喜んでくれると嬉しいなぁっと今から
胸を高鳴らせている私の横で美桜は兄ちゃん
に渡す本命チョコを一生懸命に作っている。


「美桜、兄ちゃんにはどんなのあげるの?」
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