初恋物語～大切な君へ

「えっとね、ガトーショコラだよ。」
「甘さ控えめでアーモンドを練り込んで」
「みたの。」




「兄ちゃん絶対喜ぶと思うよ。」
「甘いの苦手だけど甘さ控え目の」
「スイーツは好きだしね。」





「本当、喜んでくれると嬉しいなぁ。」
「それとまず、ガトーショコラ成功」
「させなきゃだね。」





「確かに。」
「私も生チョコとチョコレートブラウニー」
「成功させなきゃシャレにならないね。」




こうして私と美桜はお菓子作りに集中しながらも楽しく女子トークしながら見事バレンタインのお菓子作りを成功させた。





「雫の凄い！」
「もう完璧じゃん！お店に売ってる」
「生チョコとチョコレートブラウニーよ。」





「美桜、褒めすぎてるよ。」
「だけどどれも形がきれいに」
「仕上がって良かったと安堵してる。」





「これはもらったみんなテンション」
「上がると思うよ。」
「特に颯太君と近藤君は確実に100%」





「えっ？近藤君が？」
「いやいや近藤君は好きな子に貰える」
「方が確実に100%と喜ぶと思うよ。」





「あっ…雫もしかして」
「気付いてなかったの？」





ちょっ…と…嘘でしょ？雫、もしかして
近藤君の好意に気付いてないの？
あんなにアプローチしているのに？
本当に近藤君が大切な友達としてしか
思っていないと思っているのかな…。
こりゃー大変だわ近藤君…。
あの時、クリスマスイヴのお誘いの
電話した時誤魔化さず近藤君
言うべきだったんだよ。
雫がここまで鈍感だとはびっくりだよ。
近藤君…ドンマイ…。




「ん？」
「美桜、近藤君の好きな人知ってるの？」




「いや…知らないんだけど…」
「きっと近藤君は…私達の身近に」
「居る人に想いを寄せてると私が」
「勝手に予想しているだけだから」
「雫 は気にしないで。」
「これも私の予想なんだけどね…」
「近々近藤君から何かアクションを」
「起こす予感がするの。」



「そっかぁー。」
「近藤君私達の身近にいる人に」
「想いを寄せていたんだね。」




美桜って本当に凄い…
そんな予想できるなんて。
なんだか探偵みたいだなぁ。
美桜は人の事よく見ているし、
相手の気持ちになっていつも物事を
考えれる女性でいつも頭上がらないよ。
それはそうと近藤君が想いを寄せてる
身近な相手って誰なんだろ…。
相手を知れる事で私になにか力に
なれたら良いなぁ。
今度、聞けるタイミングが合ったら
聞いて見ようと。