初恋物語~大切な君へ
私と兄ちゃんはこうして電車に揺られながら松原へと向かった。
「松原ー松原ー」
そうアナウンスがなり、私達は松原に到着した。
途中電車の揺れと外の日差しが電車の窓を
照らし出すせいで私は眠気と戦っていた。
こんな良い天気に電車の揺れはダメだね。
兄ちゃんがいたから良かったけど、
私1人で乗っていたら終点まで乗り過ごしていたかもしれない。
「雫降りるよ」
俺は今にもウトウトと寝てしまいそうな雫の肩を揺すった。
「あっ、ホントだ。」
「降りなきゃ!」
私と兄ちゃんは駅から降り改札口を抜けると直ぐにおっきいショッピングモールが見えた。
この近くに新しいパンケーキ屋さんがあるのだ。
それにしてもやはり休日の松原は人がいっぱいだった。
これは迷子になったらそうそう兄ちゃんを見つけることは困難だと思った。
「雫」
「ん?どしたの兄ちゃん?」
「人、かなり多いから迷子に」
「ならないように俺の服の裾でも掴ん」
「でろ。」
雫は小さい時から迷子になる率が高く
いつも人混みの多いところはこうして2人や家族で出かける時は裾を掴ませるように
している。
「ありがとう兄ちゃん。」
「いつも助かる。」
「今度俺にアイス奢りな(笑)」
「うん!兄ちゃんの好きな」
「アイス奢るよ!」
「約束な(笑)」
兄ちゃんと楽しい話をしながらパンケーキ屋さんに向かい、遂に目的のパンケーキ屋さんに着いた。
だけどそこには既に行列ができていた。
これは…ヤバい…1時間は並ばないといけない程の行列だった。