初恋物語~大切な君へ

俺は大きな声で雫を呼んだ。



「おい!雫!」




私は、兄ちゃんが大きな声で私を呼んだ事で考え事をやめた。
また私、考え事してしまった。
本当…なんで考え事しちゃうとこう、
周りの声や音が聞こえなくなるのかな。
私のバカ。


「兄ちゃん!」
「ごめん、私また考え事しちゃってた」



「大丈夫だ」
「前、だいぶん進んでる。」
「もう入れそうだな。」
「行こ。」



「うん!」

私達は後ろの人を詰まらせていたので
後ろの人に謝ってそのままお店へと
入って行った。









※颯太side※



「慎吾、昼なに食べる?」


今日俺は1日、何も予定がなかったから
昼まで寝ようと決めていて気持ちよく
眠りについていた途端スマホの着信が鳴り始めた。

「ふぁーー」
「誰だよ、こんな朝から。」


ベッドの枕横に置いているスマホに手を
伸ばしスマホを握った。
そして、画面を覗くと慎吾と言う文字が表示されていた。
電話に出ると、慎吾はテンション高く
こう言ってきた。
「来月、彼女の誕生日でプレゼント」
「今日買いに行くの手伝え」との事だった

そして俺は何も予定もなく、大事な友達の
頼み事だから慎吾と松原に今日は出かけていた。
無事、慎吾の彼女のプレゼントを買い終わり時計を見るとちょうど正午で針が止まっていた。




「昼なぁー」
「なにが良いだろう」


「カツ丼とかどうよ!」
「慎吾カツ丼好物だろ?」



「颯太!お前天才だろ!?」



「あはは、天才って大袈裟(笑)」



「そうと決まればカツ丼屋に直行だな!」



俺達はカツ丼屋に向かう為に歩き出した。
今日は良い天気だ。
外に出て正解だな。
慎吾が呼び出してくれてなかったらずっと家でゴロゴロ寝てる予定だったけど。
こんな良い天気に木梨さんに出会えたら
もっと最高だろうな。
木梨さん休みの日とかどーしてんだろ。
2週間前、木梨さんにぶつかって喋ってからどんどん木梨さんの事ばかり考える生活になった。
とは言え、あれから2週間経つが未だあれ以来喋るタイミングが見つからないでいる。
俺…もしかしてヘタレ?
次会った時は声かけよ。
そんな事を思っていたら後ろから肩を叩かれた。



「ねぇ、あなた達すごくかっこいいね!」
「私達とこれからランチでもしない?」


俺達に話しかけてきたのは、
俺らより5つくらい歳が上のお姉さん2人組で美女だ。
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