初恋物語~大切な君へ
「なんで…私って知ってるの?」
「どうして…私に話しかけてくるの。」
突然のハプニングに私の頭の中が混んがらっていた。
接点なんて2週間前のあの日以来でその次の日からなにもなく過ごしていたのに。
「雫大丈夫か?」
「あいつらなんだったんだ?」
「大丈夫…驚いただけよ。」
「パンケーキ来たから食べよ?」
「雫が大丈夫ならいいんだ。」
吉川颯太…っか。
良い噂は聞かない。
吉川颯太は来る者拒まず女を取っかえ引っ変えしては捨てる。
そして株式会社スマイルフードコーポレーションの社長の息子いわゆる御曹司。
全部自分の気分で動き遊んでは捨てると
男子からたくさん噂で聞いていた。
そんな吉川はなぜ雫に話しかけるんだ。
そしてなぜ、今の姿を見て雫ってわかるんだ。
普段、学校行ってる間は地味な雫になってるから気付けるはずがない。
できれば雫に関わらないでほしい。
さっきの吉川颯太の表情を見て正直、
焦ってる。
アイツは雫に気があるのかもしれない。
もし、そうだとしてたら普段の雫がこんなに可愛い雫なんだってわかったはずだ。
そう想像するだけで俺はズキズキと
心臓が痛んだ。
「兄ちゃん大丈夫?!」
「どこか痛いの?!?」
「大丈夫だよ雫。」
「心配してくれてありがとうな。」
「パンケーキも食べ終わったとこだし」
「そろそろ家に帰るか?」
「そだね」
「兄ちゃんも具合あまり良くないみたい」
「だから今日は帰ろう。」
私と兄ちゃんはパンケーキを食べ終え店を出た。
「ねぇ、兄ちゃん?」
「なに?」
雫が心配そうに俺の顔を覗き込む。
その姿が凄く心を暖かくしてくれる。
雫が好きだ…。
俺はまた心で何度も叫んだ。
雫が好きだ愛してると…。
「さっきどこか痛そうだったけど」
「本当に大丈夫なの?」
「痛み止めの薬あるけどいる?」