初恋物語~大切な君へ

※美桜、慎吾、圭介編※


慎吾・圭介

「圭介~やっと今日の授業終わったな!」


「あぁ。」
「今日は何故だか疲れた…。」
「早く帰って寝る。」


「圭介が珍しいな疲れるなんて。」


「今日、颯の事で色々話し聞かされ」
「たからな。」
「でも良い疲れだよ。」
「ツレの大事な話しを真剣に聞いて」
「アドバイスもできたし。」


「そうだな!」


「慎吾、それじゃ今日は帰るわ。」


「ちょい待ちなって圭介!」
「ここですんなり帰るのかよ?」


「えっ?だって颯は木梨さんと」
「体育館裏で話しだろ?」
「帰るしかないだろ?用事もないし。」



「ふふーん♪」
「颯太の事心配だからこっそり」
「見守りに行こうぜ!」



「おいおい冗談だろ?」
「颯は来るなって言ってただろ。」


「体育館裏の花壇場所なら」
「見つからないから大丈夫だぜ。」
「本当に心配でさ…。」
「だって颯太がこんなに必死で」
「好きな人の為に頑張ってるのみてると」
「ちゃんとうまくいけてるか心配」
「なんだよ。」



「気持ちはわかるけど…。」



「ほら!圭介行くぞ!」


「おい!ちょっと待ってて!」


俺は急いで走って体育館裏の花壇に向かう
慎吾を追いかけた。
そして、結局流れで体育館裏の花壇まで
俺もきてしまっていた。




※美桜※

いよいよ放課後かぁ…雫…大丈夫かな?
なんだか私まで緊張してきちゃった。
私は最近雫の顔を見てると気付いた事がある。
吉川颯太と接点があった3週間前からか
顔の表情が柔らかくなっている。
それまでは常に周りに怯えているせいで
表情が硬くて子犬のようにビクビクと怯えていた。
だけど、雫が吉川颯太と接点があってからは少しだけど表情が穏やかで吉川颯太の事が苦手なのは苦手みたいだけどそこまで苦手では無くなってきているようにも見える。
私には良い進歩だと思う。
きっと話しを聞いてる限り吉川颯太は雫の
事好きだと私は推測している。
行動があからさまだし、きっと隠せない人なんだろうなぁと…。
ある意味優君に似てる…。
雫は鈍感だからきっとまだ2人の気持ちはわからないだろうけどこれで雫が吉川颯太と過ごして行く内に変われるなら…
過去から抜け出せれるなら応援したいと思う。
だから雫にも1歩踏み出す事は大事だと伝えた。

そして…ごめんなさい優君。
今回は報告できないや。
きっと報告したらあなたは直ぐに雫の傍に行くでしょ?
今日は雫にとっての第1歩踏み出す機会だからごめんね。
私は雫が1番幸せになれる道を応援する。
それと優君…雫の事が大好きだって気持ち
わかるよ。
でも…駄目だよ…兄弟だよ…。
私の好きな優君は妹に恋をしている。
本人から聞いてないけどわかるんだもん。
ずっと2人を傍で見てきた私なら…。
優君隠せてないよ。
私は1人そんな事を心で自分自身に語っていた。
さてと、そろそろ私は先に体育館裏の花壇に行って見守ろ。
私はこうして雫より先に体育館裏の花壇を
目指し教室を出た。



※美桜・圭介・慎吾※

俺と圭介は体育館裏にたどり着いていて近くの花壇に向かって歩いてると花壇に人影が見えていた。

「おい、圭介誰か花壇にいる。」


「えっ?そんな訳ないだ…本当だ。」


「圭介の知り合いか?」


「んな訳ないだろ!」
「俺のツレがこんな所に来てたら」
「おかしいだろ。」


「それもそっか(笑)」
「とりあえず早く花壇後に行かないと」
「颯太が来てしまう!」

俺と圭介はさらに花壇に近付き人影が段々とハッキリと見えてくる。
女子だった。
そして俺と圭介は花壇に着いて人影の
正体を知る。

「あの…えっと、もしかして」
「木梨さんの友達の?」

俺がそう話しかけたと同じタイミングで
圭介が木梨さんの友達の名字を呼んでいた。

「長谷川…」



「んえっ…?」

私は目の前に立ってる2人組の男子に気付いた。
あまりにも驚いたせいか拍子抜けた声が出ていた。


「えっと、増田君と圭介君?」


「どーも。」
「あっ、もしかして圭介と長谷川さん」
「知り合い?」


「中学3の時同じクラスだったの。」


「長谷川も木梨さんと颯太を気に」
「なって見にきたの?」


「心配で…。」
「万が一吉川君が変な事したら」
「私が雫を助けよって思って。」



「颯太余程信用されてないんだな(笑)」


「ねぇ颯来たみたいだぞ。」


「やべっ」
「2人とも花壇の下に隠れろ。」

長谷川さんと圭介が隠れたと同時に俺も
瞬時に花壇の下に隠れた。
そして俺達は花壇の花を少し左右に分けて
2人が見えるように分けた1つの穴から顔を覗かかせた。
そして少しして、木梨さんは颯太の元へ現れた。
ここからは3人共小声で会話をする。
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