初恋物語~大切な君へ
第5章 近藤君と図書館
今日は良く晴れた水曜日。
外の空気は冷たいけれど太陽は元気に
今日も地球を照らしている。
今日から私は眼鏡を取って学校へ登校していた。
教室に美桜と一緒に入ると一斉にクラスメイトや他のクラスの遊びに来ている人達まで私の所に視線が向いていた。
そして聞こえてくる。
「えっ?誰?」
「木梨さんじゃない?」
「えっ!マジ?!」
「眼鏡付けてないだけでこんなに」
「変わるの?」
などヒソヒソ話が聞こえる。
やっぱり恥ずかしい…と言うか緊張する。
「雫大丈夫?」
「眼鏡かける?」
美桜がすごく心配な顔をして見てくる。
「眼鏡家に置いて来ちゃった…。」
「雫…ドンマイ。」
私はいつものように自分の席に座り、
教科書を机の引き出しに閉まって
一息を着いていたら廊下から賑やかな
女子達の声が聞こえてくる。
颯太君達が学校に着いて教室に向かってくる。
友達になった次の日から颯太君は
積極的に私や美桜に話しかけていて、
最初はクラスの人達はザワついていたが
今はそれが普通になったのかザワつきも
なくなり普通の日常を取り戻している。
1つ変わった事は颯太君達が話しかけてきたきっかけでクラスの女子から声をかけられるようになり、楽しい会話もできるようになった。
「木梨ちゃんおはよう!」
そう、声をかけて来たのは隣の席の坪井凛ちゃん。
日本人のお母さんとドイツのお父さんから
産まれたハーフの可愛い女の子。
性格も明るく最近よく私に話しかけてきてくれる。
「坪井さんおはよう。」
「ねぇ!コンタクトにしたの?」
「あっ、えっ!?」
「うん…本当はいつもは眼鏡してない」
「んだけど学校でもコンタクトにしよう」
「かなって。」
「ええ〜!絶対こっちのが良いよ!」
「まさか美少女だとわね♪」
「この三つ編みもやめて髪おろしなよ。」
そう言って坪井さんは私の三つ編みをほどき私の髪は三つ編みをしていたせいか
少しウェーブがかかっていた。
髪が1本ずつフワッとほどける。
そうするとクラス全体がこちらを見てきた。
美桜が心配そうに私の傍に駆け寄ってくる。
それと同時にクラス全員私の席の付近まで
近寄ってきていた。
「木梨さん可愛い!」
「まさか隠れ美少女だとわ!」
「ねぇ、俺彼氏に立候補して良い?」
「かっ!可愛い!?」
「そんな事ありません。」
「ちょっと雫にナンパしないでよ!」
「田口!」
「そうよそうよ!」
「坪井さん、美桜…。」
俺と慎吾、圭介は1-3組に向かう為廊下を
歩いていた。
廊下にいる男子、女子ほとんどが俺達に
挨拶をしてくる。
っとここまではいつもの日常だった。
だが…俺のクラスの近くになってくると
今日はものすごく1-3が騒がしい。
「なぁ、颯太のクラスなんか」
「騒がしくねーか?」
「なんかいつもと違うな。」
「颯、お前理由知ってる?」
「いや?知らない…。」
「とりあえず行ってみないとわかんない」
「よな。」
こうして、俺達は1-3に向かって走った。
そして、1-3の廊下に着くとクラスみんなが
俺の席の近くに人集りができていた。
その中には美桜ちゃんが慌てている姿が見えた。
「颯、なにかやらかした?」
「えっ?!」
「なんもやらかしてないぞ。」
「じゃなに?あの人集り。」
「颯の席の近くだぞ?」
「とりあえず入るわ。」
「了解。」
「俺と圭介はもう時間ギリギリだから」
「このまま自分らのクラスに行くよ。」
「OK」
「また昼休み体育館裏で集合な!」
「今日も雫と美桜ちゃん連れてくるわ!」
「颯、言わなくても毎日連れて来てる」
「だろ?」
「確かに(笑)」
「じゃ、また!」
俺は教室に入るとすぐ自分の席に近づいて
みんなに声をかける。