初恋物語~大切な君へ
「それじゃ準備するね!」
「美桜何かジュースある?」
「あっ、確認するね!」
私は美桜が確認している間に、コップと
ケーキ皿を人数分用意をする。
そうすると颯太君が私の横に来ていた。
兄ちゃんと増田君と近藤君は楽しそうに
なにか話をしていた。
「雫、俺も手伝うよ。」
「ありがとう!」
「それじゃこのケーキ皿をテーブルに」
「並べてくれる?」
「OK!」
「雫、大変!」
「美桜どしたの?」
「飲み物がお茶しかないや(笑)」
「それだったら私、近くのスーパーで」
「買ってくる。」
そう言う木梨の声がキッチンの方から聞こえてきた。
これなら木梨と2人きりになれるチャンスなのでは?っと思うと咄嗟に俺は行動に
出ていた。
「木梨俺、手伝うよ。」
「近藤君本当?助かる。」
「じゃ、ちょっと行ってくるね!」
えっ?
ちょっと待てって…。
何2人で行こうとしてるんだ?
そんなの駄目だって。
俺も行くに決まってるだろ…!
「雫!圭介!俺も行く。」
「颯太君でもケーキ皿まだ並べてる途中」
「だから大丈夫だよ。」
「もう終わる!」
そう言うと俺は途中で止めてたケーキ皿を
猛スピードで並べ終えた。
「男2人いる方が荷物も軽くなるだろ?」
「だから俺も行く。」
「圭介も良いだろ?」
「あっ…うん。別に俺は構わないよ。」
やっぱりそうなるかぁ…。
ここで断ると絶対怪しむよな颯…。
木梨の事好きなのちゃんとした時に言おうと思ってるからここで怪しまれる事は避けよう。
はぁ…木梨となかなか2人になれないのは
残念だ。
「3人とも気をつけて行ってきてね!」
「「「はーい!」」」
私と颯太君、近藤君は美桜の家を出て
スーパーに向かって歩き出す。
「寒っ!」
「颯、その格好はさすがに寒いぞ?」
「もう冬なんだし。」
「確かに圭介の言う通りかも(笑)」
「11月でこのカーディガンはもう」
「無理だな。」
颯太君の今日の服装は黒のカーディガンにインナーは白のシンプルインナー。
ボトムスはグレー色のチェック柄。
颯太君はどんな服装をしてもさまになる。
ルックスが良いからだろう。
以前、みんなでランチに出かけた時でも
待ちで芸能界に入らないかっとスカウトされていた。
そんなすごい人が私の右横に並んで歩いてる。
一方、更に私の左隣には近藤君が並んで
颯太君と楽しそうに会話しながら歩いている。
近藤君は今日紺色のジャケットにインナーは黒色のプリントロンT。
ボトムスはシンプルのジンズだった。
それに比べ私は…ブラウン色のロングパーカワンピースに白色のモコモコジャケットだった。
なんだか…2人のレベルが高すぎて
私なんかが並んで歩いてるのが申し訳なくなってきちゃった。
「木梨は今日カジュアルなコーデだな。」
「そのパーカワンピースって」
「bearWorldの?」
「近藤君すごい!なんで知ってるの?」
「俺、そこのメンズの服が好きで」
「よく買いに行く。」
「今日はちょっと別の所の服だけど(笑)」
「bearWorld良いよね!」
「カジュアルなのにオシャレで合わせ」
「やすくて好きなの!」
「はいはいそこの2人、仲良しなのは」
「分かるけど俺がいること」
「忘れちゃ駄目だぞ。」
そう言って俺は圭介と雫の会話を塞ぎ
こっそり雫の右手を繋いだ。
ここ最近気付いた事がある。
圭介と雫は何故か趣味が合うらしく
そこから急速に仲良くなった。
元々中学が同じで接点もあったからそれは
仕方ないと思っていたし、雫が楽しそうに
しているなら良いと思う…だけどちょっと
圭介は雫に近すぎではないか?と思う。
圭介も同じ趣味や価値観わかる人ができて
嬉しそうだし楽しそうで良いと思うけど
なんかモヤモヤする…圭介はもう雫の事
好きなのは諦めたって言ってたから多分そんな最悪な事はないと願いたいが、何故か
ヒヤヒヤする行動を圭介はとる。
そして俺の嫉妬が絡み合って急に寂しくなって…。
そしたらいつの間にか雫の右手を繋いでいた。
「颯太君ごめん!」
えっ!?
ぇぇえ!?手握られてる?
これ、どしたら良いのと思い颯太君の顔を
見上げる。
彼はしっーっと人差し指で合図する。
近藤君がいるのに…恥ずかしい。
「颯ごめん…。」
「別に良いんだけどね!」
「仲良くなる事は(笑)」
「なぁ、ふと木梨のお兄さんの」
「話しを聞いて思ったんだけど」
「颯や雫は進路もう決まってたりする?」
「私はまだ何も…。」
「来年2年生だもんね来年にはぼちぼち」
「決めなきゃだよね。」
「俺は将来親父の会社を継がなきゃ」
「ならないから親父の会社で働く」
「つもりでいる。」