初恋物語~大切な君へ
ヨッシャー
思わずガッツポーズしそう心で叫んでいた。
木梨、24日は空いてるんだ。
これは絶対クリスマスの誘い、成功させなければならない。
「クリスマスイヴ一緒に出掛けないか?」
私はまさかの誘いに体が硬直していた。
近藤君にクリスマスイヴ誘われちゃった…。
どうしたのだろ…近藤君…。
よほど暇なのかな?
そう考えていると美桜が小声で話しかけてきた。
「雫…なんて?」
「近藤君ちょっと待ってて。」
「わかった。」
「美桜、近藤君に24日クリスマスイヴ」
「出掛けよって誘われちゃった。」
「マジ!?」
「行っても良いんじゃない?」
「せっかく誘ってくれてるんだから。」
ふふふふ(笑)
圭介君やるじゃん!
こればかりは圭介君の気持ちだからなぁ。
だけどこれでハッキリとわかったわ。
圭介君は雫の事好きだわ。
「だよね…。」
「もしもし近藤君?」
「あっ、木梨戻ってきた?」
「うん。」
「24日どう?行けそう?」
「うん行けるよ!」
「でも、近藤君良いの?私で…。」
「せっかくのクリスマスイヴなんだから」
「家族とか大切な人と過ごさなくて。」
「良かった!」
「後、家族は俺以外用事あるんだ。」
「大切な人は今誘ってるんだけど…。」
「へっ?!」
「私!?」
近藤君ちょっと待った!
それってそれって私の事好きって事?!
自意識過剰かもしれないけれど…そう思っちゃうよ…。
いまいち近藤君の行動が掴めない。
「木梨は大切な友達だからな。」
「暇人な俺を相手してやってくれ。」
あっ!そ言う事ね(笑)
やっぱり私の勘違いの自意識過剰だった。
だけど嬉しいなぁ!
近藤君、私の事大切な友達って思ってくれているんだ。
私だって大切な友達だから近藤君の
そのお願い聞いてあげたいと思う。
「私も近藤君は大切な友達だから」
「全然その日私でよければ付き合うよ!」
「木梨ありがとう。」
「それじゃその日家まで迎えに行くから」
「そのつもりで。」
「また時間後日言うから。」
「了解!」
「じゃ、またな!」
「泊まり会の邪魔して悪かった。」
「全然!それじゃまたね!」
プツっと私は受話器を切った。
その横で美桜ずっとニヤニヤと不思議な
笑みを全開にしていた。
絶対美桜、面白がっている。
「大切な友達ねぇー♪」
「そう、圭介君は言ったの?」
「そっ!そうだよ!」
「24日暇なんだってだから相手してって」
「言われちゃった。」
「へぇ~♪」
「もう!美桜!」
「さっきから何が言いたいの!?」
「圭介君、雫に気があんじゃないの?」
「って思ってね♪」
「ちっ!///違うよ!」
「私も最初そう思ったけれど」
「ちゃんと友達って言ってたもん!」
「だから勘違いしちゃ駄目だって!」
「はい♪はい♪」
「まぁ、2日間楽しんできなよ♪」
「美桜もだよ!」
「兄ちゃんにちゃんと誘いなよ♪」
「もちろんだよ!」
私と美桜が途絶える事のないお喋りをしたのが一区切りつき時計を見ると既に夜の11時前になっていた。
そして下から誰かが帰ってくる音がする。
お父さんか兄ちゃんだろうと思っていると
2階に上がってくる音がするので正解は
兄ちゃんだ。
「美桜、兄ちゃん帰ってきた!」
「ちょっと呼んでくる!」
「えっ!」
「ちょっ!ちょっと雫?!」
私は兄ちゃんが自分の部屋に入る直前に
呼び止めた。
そして、兄ちゃんの腕を掴んでいた。
「兄ちゃん!」
「えっ!!」
「雫!?なんだよいきなり。」