初恋物語~大切な君へ
第7章 クリスマスとそれぞれの告白
※クリスマスイヴ当日※
美桜の誕生日会から日が経ち遂にクリスマスイヴとクリスマスの日がやってきた。
そして、今日は12月24日近藤君との約束の
日がやってきたのだ。
学校は昨日から冬休みに入り、
増田君と美桜には終業式にクリスマスプレゼントを渡した。
増田君にはスマホのカバーケースで
美桜にはネイルセット。
兄ちゃんにはキャップをプレゼントした。
そして、今私は近藤君が家まで迎えに来てくれるのを待っていた。
あれ?そう言えば私、近藤君と休みの日に
2人で出かけるのって初めて…。
初めてがクリスマスイヴってなんだか緊張するなぁ。
近藤君は緊張しないのだろうか…。
そんな事を考えていると左手に持っていた
スマホが鳴っている。
時間的にも近藤君かなと思っていたが
電話の相手は颯太君からだった。
「もしもし?」
「雫おはよう!」
「颯太君おはよう。」
「雫…今日、圭介と出かけるって本当?」
昨日俺は、圭介に借りてたゲームを返す為に圭介の家に来ていた。
その時圭介から突然聞かされる。
「颯、俺明日雫と出かけてくる。」っと。
最初はなにを言っているのかわからなかった。
わからなかったっと言うかわからないように拒否していたのかもしれない。
だって、明日ってクリスマスイヴだし…
俺、雫にも聞いていない。
そりゃ、何もかも俺に話す事なんて付き合ってもいないからしないのは当然だ。
だけど…意外と結構キツい…。
俺は自惚れていただけなのだろうか…。
雫は少しずつだけれど俺の事好きになって
いってるって思ってたんだけどな…。
雫は圭介が好きなのか?
誰を好きになるかは雫の勝手だし俺がそれを止める権利もないから余計胸のモヤモヤ
が治らない。
とにかく、明日雫に聞いてみようと言う答えに昨日は至った。
そして、今日の朝こうして雫に電話をかけている。
「うん。」
「近藤君なんか今日暇人なんだって。」
「だから付き合ってって言われちゃって」
「今日近藤君と出かける事になった。」
「雫から誘ったんじゃないんだな?」
「そうだけど…なんで?」
「雫から誘ってたらなんかショックだな」
「って思って…俺、前も言ったように」
「雫の事大好きだからさ。」
良かった…雫から誘ってないならそれだけでまだ俺にも望があるはず。
本当…俺心に余裕ないな…こんな必死なるなんて。
「颯太君…私、ちゃんと颯太君の気持ち」
「伝わってるしわかってるから。」
「雫…。」
「近藤君は私に言ったの大切な友達と」
「過ごしたいって。」
「だけど増田君も今日彼女と過ごす」
「でしょ?」
「颯太君だって今日、お父さんの会社の」
「パーティーで参加しなきゃいけない」
「でしょ?」
「だから近藤君は大切な友達で空いてる」
「私を誘ったのだと思う。」
「そっか。」
「俺の勘違いなら良いんだ。」
「雫、明日は覚悟しといて。」
「俺、雫にとってのクリスマスを」
「最高のクリスマスにしてやるから。」
「!///颯太君なんでそんな恥ずかしい」
「セリフをサラッと言えるの?」
「それは何度も言ってるだろ…」
「俺は雫の事世界で1番大事で、」
「俺の大好きな女性なんだよ。」
「わかったなら素直に喜んで。」
また私の心がキューっと締め付けられるほど颯太君の言葉にトキメキを隠せないでいた。
私…どんどん颯太君を好きになってる。
最初、こんなんじゃなかった。
こんなに好きの気持ちって膨らむものなの?
「うん///」
「素直に嬉しいよ。」
「今日は楽しんでおいでよ。」
「明日はもっと俺が楽しませてやる。」
「明日雫の家まで11時に迎えに行くから」
「待ってて。」
「わかった。」
「颯太君、明日私もすごく楽しみに」
「してるから!」
「颯太君とクリスマス過ごせるの」
「1番嬉しいから。」
「雫…それってもう俺の事…」
「いや…やっぱいいや今度ちゃんと」
「雫から言ってくれるの待ってよ。」
「なっ///!」
「とりあえずもう切るね!」
「また明日!」
「うん!また明日。」
電話を切った後の鼓動の速さがどんどん
加速する。
ヤバいドキドキが治まらないよ…。
落ち着け私…平常心でいなくちゃ。
これから近藤君と遊びに行くのに
こんなのじゃ心配されるに決まってる。
そう1人でテンパっているとインターフォンが鳴る。
私はリビングから駆け出して玄関まで
向かい勢いよく扉を開けた。
「木梨!?」
「近藤君!」
「ぶっ…あはは!」
「えっ!!」
「なに?なんで笑われてるの?私…。」