今、キミの鼓動をきく
「嵐だぁ!」
「窓閉めろ!」

島民が騒ぐ中、1人海の近くに残った。

吹き荒ぶる風、けたたましくなる雨の音。体を突き抜けるようにあたる大粒の雨。強い雨の匂い。高波。あぁ、愛おしい。生きてる感じがひしひしとする。雨が口に入る度、生きてる喜びを感じる。これは私しか味わえない特権。

え、、、。

堤防から身を乗り出す男がいる。

目を擦り叫ぶ。

「危ないですよ!」

男が振り向いた。
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