私のヒーローはあの時の彼でした。
結衣side

仕事帰り、

私はいつもように自転車を漕ぎ

四ツ谷大橋を超え、商店街の外れにある

1LDKのアパートに帰る。

「ゆいちゃーん

結衣ちゃんが好きなメロンパン残ってるよ」

と大きな声が、後ろから聞こえた。

私は自転車を降り、

その声がする方へ振り返った。

私の大好物のメロンパン。

いつもならありつけないメロンパンの言葉に

私はにんまりした。

今日は水曜日、

いつもならメロンパンは

午前中に売り切れてしまうから

食べることが出来ない。
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