自動手記人形は私の隣に〜海を越えて「愛してる」を〜
木の下に座り、二人はお弁当を広げる。ドイツ人のヴェリーナとドイツにいたすみれのお弁当は、ドイツを感じさせるものが必ず入っている。

「ヴルスト、今日も入ってるわ」

「私とお揃いですね」

ヴルストとは、バイエルン州の伝統的なソーセージだ。ドイツはソーセージが有名なだけあり、とてもおいしい。

お弁当のおかずを交換しつつ、すみれとヴェリーナは今日もヴァイオレット・エヴァーガーデンのことを話す。

「すみれがヴァイオレット・エヴァーガーデンのお話の中で好きなのはどのお話なの?」

「私は、病気のお母さんが娘のために五十年分の手紙を書くお話と、お姫様のラブレターを書くお話が好きです。ヴェリーナはどのお話が好きですか?」

「私は、兵士の手紙を書くお話と、映画になった永遠と自動手記人形が好き!まあ、どのお話も素敵で大好きだけど」

「わかります!アニメオリジナルのお話も、小説にしかないお話も、どれも素敵でいつも泣いてしまうんです」
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