わたしたちの好きなひと
 掛居は、恭太は、わたしをおぼえていてくれる?
 わたしなんて、なんの取柄もない。
 掛居みたいに、ひとの記憶に残れるような美人じゃないし。
 恭太みたいに、団体から誘われるような特技もない。
 
 同じ教室にいたからだ。
 わたしがふたりといられたのは、クラスメイトだったから。

 3年間も、離れたらダメ!

 わたしは、ふたりの友だちではいられない。

 そんなのいやだ!


 あのとき、気づいてしまったから――。
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