わたしたちの好きなひと
第3章『プレイバックpart1』
あれは中3の5月。
修学旅行2日目の宿は…日光、中禅寺湖のほとりだった。
* * *
「秋子、大変! 3班の男子がいないの」
はぁ?
今度はなんなのよ。
女子3班の7人部屋にいるのは、わたしと、大浴場でのぼせてひっくり返ったプーちゃんだけ。
男子の部屋や、ゲームコーナーに行くと出て行ったみんなはまだもどっていない。
2日目でもうくたびれはてている担任の森ちゃん同様、学級委員なんてやらされているわたしももう、くたびれ果てている。
「3班なら掛居がいるでしょ。掛居に言ってよ、掛居に」
「掛居くんがいたら、あんたのとこなんか来ないわよ」
「…………」
そういう言いかたをするなら、返事なんかしなきゃよかったと思うわたしはまちがっておりますでしょうか?
「どうせ、よその組の女子部屋でも襲ってるんでしょ。ほかの組の部屋、のぞいてみたの?」
「それどころじゃないから、あんたを探したの! 3班の部屋、花火の袋が落ちてた! しかもいっぱい!」
「はぁぁああ?」
わたしの大声に、眠っていたプーちゃんが目をこすった。
「あたしにも、ちょうだぁい……」
「…………」
笑っちゃうけど、ごめんねプーちゃん。
今度は花火ですってさ。
あいつらもプーちゃんみたいに、お風呂でのぼせてほしかったわ。
修学旅行2日目の宿は…日光、中禅寺湖のほとりだった。
* * *
「秋子、大変! 3班の男子がいないの」
はぁ?
今度はなんなのよ。
女子3班の7人部屋にいるのは、わたしと、大浴場でのぼせてひっくり返ったプーちゃんだけ。
男子の部屋や、ゲームコーナーに行くと出て行ったみんなはまだもどっていない。
2日目でもうくたびれはてている担任の森ちゃん同様、学級委員なんてやらされているわたしももう、くたびれ果てている。
「3班なら掛居がいるでしょ。掛居に言ってよ、掛居に」
「掛居くんがいたら、あんたのとこなんか来ないわよ」
「…………」
そういう言いかたをするなら、返事なんかしなきゃよかったと思うわたしはまちがっておりますでしょうか?
「どうせ、よその組の女子部屋でも襲ってるんでしょ。ほかの組の部屋、のぞいてみたの?」
「それどころじゃないから、あんたを探したの! 3班の部屋、花火の袋が落ちてた! しかもいっぱい!」
「はぁぁああ?」
わたしの大声に、眠っていたプーちゃんが目をこすった。
「あたしにも、ちょうだぁい……」
「…………」
笑っちゃうけど、ごめんねプーちゃん。
今度は花火ですってさ。
あいつらもプーちゃんみたいに、お風呂でのぼせてほしかったわ。