わたしたちの好きなひと
「だれが全然わかってくれないって?」
うわっ、掛居。
「おう、拓弥。どうだった?」
「別に。特に問題なし。…恭太、次の次だろ? たぶん、おまえのお母さんじゃないかな、泣きそうな顔できょろきょろしてたぞ」
「おう。…ンじゃ待ってろよ、シューコ。たっぷりおごらせてやるからな」
「なによう、おごってくれるのまちがいでしょ、ばか」
恭太は、ありもしないボールを蹴りながら廊下に出て行く。
「ばーか」
その背中が見えなくなるまでドア口で見送って。
振り向くと掛居がわたしの机の上のプリントを見ていた。
「や…だ、掛居」
「なるほど。女子高がいやなら、このセンだよな。で? 公立はどうすんの?」
とぼとぼ机にたどり着いて。
「まだ、もう少し待ってくださいって、森ちゃんには、お願い…した」
うつむいて、ぼそぼそ返事。
上履きのつま先をモジモジしていると、掛居にプリントで頭を叩かれた。
「まーだ、まーだ、つめこめるぞっと」
言うのは簡単だい。
うわっ、掛居。
「おう、拓弥。どうだった?」
「別に。特に問題なし。…恭太、次の次だろ? たぶん、おまえのお母さんじゃないかな、泣きそうな顔できょろきょろしてたぞ」
「おう。…ンじゃ待ってろよ、シューコ。たっぷりおごらせてやるからな」
「なによう、おごってくれるのまちがいでしょ、ばか」
恭太は、ありもしないボールを蹴りながら廊下に出て行く。
「ばーか」
その背中が見えなくなるまでドア口で見送って。
振り向くと掛居がわたしの机の上のプリントを見ていた。
「や…だ、掛居」
「なるほど。女子高がいやなら、このセンだよな。で? 公立はどうすんの?」
とぼとぼ机にたどり着いて。
「まだ、もう少し待ってくださいって、森ちゃんには、お願い…した」
うつむいて、ぼそぼそ返事。
上履きのつま先をモジモジしていると、掛居にプリントで頭を叩かれた。
「まーだ、まーだ、つめこめるぞっと」
言うのは簡単だい。