このせかいに在るがまま
星原くんがどんな過去を抱えているのか。どんな苦しみと後悔を背負って生きているのか。
そのうえで、わたしと何を共有したいと思ってくれているのか。
きみのことを知りたいと思うのは不謹慎だろうか。友達という、軽率な関係に 今だけはなってみたいと思ってしまうわたしは変だろうか。
星原くんの心に寄り添いたい。
弱いところ、丸ごと抱きしめてあげたい。
漠然と、同じ世界をいきているからこそできることがあるような気がしているのだ。
「……幻滅されてもいいから、芽吹さんにだけは知っててほしいって思ってる。変な話、だけど」
「、うん」
「ねえ、芽吹さん」
────おれの話、聞いてくれる?
彼の言葉に頷く。
握りしめた拳に汗が滲んでいた。