このせかいに在るがまま
「芽吹さんはおれと同じ匂いがするなぁって思ったんだよ」
「…意味分かんないんだけど。だいたい星原くんは人気者だしモテるし、友達も多いでしょ。わたしとは根本的につくりがちがう」
「芽吹さん、本当は友達が欲しいの?」
「…はあ?そういうことじゃなくて」
「おれ、友達いないよ」
「そうやってくだらない嘘は、」
「正確には、“友達だと思われてることはあっても おれが友達だと認識してる人はいない”だけど」
星原くんが笑う。
穏やかだけどどこか心のこもっていない、今日最初に見た笑顔によく似ていた。
「芽吹さん、おれね、」
───クソみたいなこの世界、さっさとぶっ壊して死にたいんだ
星原 天晴からわたしと同じ匂いがした───ような気がした。