このせかいに在るがまま
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星原くんが教えてくれた過去の話。
わたしとは温度の違う不満と後悔を抱えていて、なんて声をかけるのが正解なのかわからなかった。
2人分の呼吸だけが響く教室の窓の隙間から、ヒュー…とつめたい風が吹く。
人生の軸が狂って、負の感情でしか動けなくなる。
星原くんはまさにそうだったと言った。お姉さんを自殺に追い込んだ世界が嫌いだった。おばあちゃんの声を聴き入れない両親が嫌いだった。
そうしているうちにこの世に不満ばかりが残っていって、人に期待をしなくなった。
バカばっかりがあふれてる、力のあるやつばかりが得をする。当たり前にこんな世界を生きていることが気持ち悪くて、時々、ぽっくり死んでしまいたくなる。
「…さっきのおれ、こわかったよね。ごめん、本当に」
ちいさく謝った彼が、ひどく小さな存在に見えた。