このせかいに在るがまま




「トワコちゃーん」



聞いただけで不快になる声だった。

振り返ることもしたくなかったけれど、バンッと音を立てて乱暴に机の上に鞄を置かれるものだから、反応せざるをえなかった。




「……、滝口くん」

「おはよー、今日もイイ朝だねー?」



何処がどう、良いと言えるのか。何も返さないままキュッと唇を結んだわたしの顔を覗き込んだ滝口くんは「今日もツレなくて可愛ーね?」と気味の悪い笑みを浮かべた。



「おめでとうトワコちゃん、晴れて山岸から解放されたねぇ。めでたいねぇ?」

「…、」

「やー、正直俺も困ってたんだよね。何回かヤッただけで彼女面するしさ、トワコちゃんのこと食いたいって言うと怒んの。ね、クソめんどいっしょ。あいつ、死んだ方マシだよね。トワコちゃんもそう思わない?つうか、星原と付き合ってるってマジ?」



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